現代と不満の原因


現代は物質文明が発展し、人々は多くのものを所有できるようになりました




ほんの数百年前までは、夏の暑さと冬の寒さに耐えながら、人類は生活していましたが、現代ではエアコンが発展して、一年中快適な生活をおくれるようになりました

食べ物も、白米を食べるのは贅沢なことで、一般庶民には口にすることが出来ませんでしたが、現代では食べ過ぎによる肥満が問題視され、ダイエット産業が発展しています

交通機関も発展し、飛行機や電車、自動車の利用で、私たちはすぐに目的地に行くことが可能となてきましたが、かつての社会では、自分の生まれた村をはなれずに一生を過ごす人が大勢いました

またパソコンやスマホの普及で、インナーネットで世界中につながり、地球の裏にいる人とでも瞬時にやり取りのできる時代になりました

そのように、便利な物にあふれた社会に私たちは生きていますが、満足感はむしろ縄文時代の人々より減っているかも知れません

縄文時代の暮らしでは、その日に食べる食料を取ってきて、村人と分け合い満足して暮らしていました

食べ物は取り置きしていても、すぐに腐って食べられ無くなるため、その日一日の収穫分で満足していたと言えます

縄文時代の土器や装飾の美しさを見れば、彼らが美的な感覚を楽しむ豊かさを持っていたことが分かります

稲作中心の弥生時代になると、土器も実用的なものだけで、衣服も質素な物になっていきます

稲作は、人口密集度を高めて、多くの人が一定の地域で集団で生活できるようにし、収穫物を貯蓄しておける利点があります

大勢が密集して暮らせることで、狩猟民族との紛争があった場合に、数の力で勝てるので、争いには有利に働きます

お米は長期保存して置けるので、その日一日の食べ物を見つけに行かなくても、貯蓄のなかから食べれます

ですが同時に、稲作をするには、田んぼを平らにして、水も通して整備しなけらばならず、その日の収穫で満足するものではなくて、より多くの貯えを欲するようになるため、労働時間は増えていきます

弥生時代の美的装飾の無さは、労働時間の増加による、心の豊かさを失っていったことを示しているのでしょう

人々は将来に向けて貯えていけるという概念から、深い欲が芽生えてきて、より良い生活、より豊かな生活を望んで、一生懸命に仕事にはげむようになります

そして生活を改善するような変化を続けていき、より豊かで、より満足する生活を手に入れようとしてきました

はじめは農機具の改良し、木の代わりに鉄を使ったり、労働力として牛を飼って、それに曳かせる道具の開発などをおこなっていました

それが現代では、スマートホンやタブレット端末など、より高度な機器に変化していっています

わずか三十年のうちに携帯は普及して、今ではスマートホンが無いと不便でしょうがないと思う人が多いでしょう

かつての人々からすれば、現代人は豊富な物質に囲まれて生活していますが、あることが当たり前になってくると、ひとは豊かさを感じられず、何かが足りないと、砂漠でオアシスを求める旅人のように、渇きを感じて生きています

かつては一部の金持ちしか得られなかったものを、一般の人も享受できる時代になっていますが、わたしたちの満足感は満たされずにいます

いくら物に満たされても、心が満たされなければ、私たちは豊かになれないからです

焦燥感に駆られたり、いつも不満を言う傾向のある場合は、外部によって得られるものではなく、内側から満たされることを求めましょう

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