幸せを求めて逆に不幸になる人生の逆説と生命の大樹


人間は肉体に宿って生まれて、自我を持って生きていきます

自我は自分を守ろうとする働きをします

周りから攻撃をされそうになると、それを回避したり、自分の利益となるものを人より先に得ようとする働きなどが自我の働きです

自我は私たち自身とイコールで考えられていますが、実際には偽物の我であり、偽我とも呼ばれます

あるいは小さな我である小我と呼んでもいいでしょう

私たちの本質のなかには、この小我を超えて存在する大いなる自己が存在しています

それは生命の大樹と繋がっている感覚を持ち、自己はその一部だという自覚を持つ者です

人は互いに他人のように感じて生きていますが、実際には根っこの部分で、魂は繋がりあっており、ひとつの巨大な生命の大樹を作り出しています

その中の一枚の葉っぱが、肉体にある私たちであり、その葉っぱが自分の利益だけを考えて、木の中を流れる樹液を独占しようとしたらどうなるでしょう?

栄養の流れが失われて、周りの葉っぱが枯れるだけではなく、自分にも新たな養分は流れなくなって、葉は枯れていってしまいます

自我の働きとはそのように、自分だけよかれとして、利益を独り占めしようとする働きのようなものです

自我の働きが強くなると、いつしか自分に回ってくる幸せも減っていき、逆に不幸せな境遇におちいって行くのです

人々がお互いに愛し合い、支えあっていくことで、幸せのもとである養分は円滑にめぐっていき、どんどんと増えていきます

人の幸せを思ってしていくことが、実は自分自身の幸せに通じていきます

自分が自分がと、自我に振り回されて己の欲ばかり振り回していると、かえって幸せは減っていき、人の幸せを考えていくと逆に幸せは増えていきます

このように人生の逆説があります

なかには、自分は長年、夫のために尽くした、子供のために尽くしたが、ちっとも幸せになれなかったと嘆く人もいます

ですがそれは、相手の幸せを願っていたのではなく、自分のために相手にしていたということです

ほんとうに相手のためを思っての行為だったかは、いずれ返ってくるもので分かります

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