将来に福を植える植福と、惜福と分福
幸田露伴さんの惜福と分福について、先日から紹介しています
この惜福と分福について、歴史上の人物として、豊臣秀吉と徳川家康を露伴さんはあげています
徳川家康は、質素倹約家として知られます
家康はいつも麦飯を食べていたのですが、それを見かねて家臣が白飯を入れてつくると、家康に叱責されたと言われます
その理由は「主が進んで倹約すれば、いくらかを戦費にまわせるし、百姓たちもいたわることができよう」とのことでした
また天下を取った後に、懐紙が風で飛ばされた時には、慌てて庭先まで取りに行ったといわれます
そのように贅沢を敵として、質素倹約に生きた家康は、惜福の精神を持っていたと紹介されます
豊臣秀吉は、ご存知のように、部下に対してたいへん大盤振る舞いする人でした
ご自身も金の茶室を作るなど、豪華なところをもっています
部下への気前よく褒美を振る舞うところからして、露伴は、秀吉を分福の性質のあるものとして紹介しました
このように、徳川家康は惜福を、豊臣秀吉は分福を、それぞれ持っているのですが、もう一方の性質は持ち合わせていなかったと指摘します
つまり、徳川家康は惜福の精神を持っていましたが、分福の精神は少なかったと言えます
逆に豊臣秀吉は、分福の精神を持っていましたが、惜福の精神が少なかった人でした
このように、普通は惜福の精神を持っていると、分福ができず、分福の人は、惜福が足りないところがあります
つぎに幸田露伴は、植福についても述べています
植福とは、将来の子や孫のために、植樹していくように福を将来のために植えていくものです
現代の私たちが、快適な生活をおくれているのも、過去の人たちが、少しでも将来をよくしていくために活躍されたからだと言えます
明治維新においても、このままでは日本が列強の植民地となり、悲惨なこととなると憂えた志士たちが、命をはって維新を成し遂げたからこそ、日本は発展をとげてきました
卑近な例でいえば、暑い日が続いていますけど、私たちはエアコンがあることで、快適な温度で暮らせています
そのためには、電気の発電方法を開発した人、電気の利用を考えた人、電気の送電方法を発明した人、エアコン自体を発明した人など、色々な人の努力のもとで成り立っています
こうした電気製品は作られてすぐに世の中の役にたつでしょうが、将来にしか成果の得られないものや、将来のために残しておくべきものというのがあるはずです
そのように、現在の事だけではなく、将来の子孫のために植えておくべき福というのが、植福の考えです
幸田露伴さんは、この惜福、分福、植福が、人々の幸福のためには必要だと説かれています
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