クリティーク Critique(批評)
日本の現場においてクリティークがどう呼ばれているかを知らないのですが、
アメリカではアーティストにとって非常に重要なこととして認知されています。
今回はそのクリティークについての私なりに学んだことをお話したいと思います。
大きく分けて2つのテーマで説明します。
1. クリティークとは何か
2.クリティークのしかた、もらいかた、相手の選び方。
まずはクリティークとは何かについてです。
単純に日本語訳すると「批評」です。少し聞こえが硬いですね。(^_^;)
くだけた表現をすると、自身の作品において人から良し悪し両方込みで感想をもらう
といったところでしょうか。 「フィードバック」とも言います。
このクリティークはほぼ全ての社会で生きるアーティストにとって必要なものだと言えます。
なぜならアーティストは何かを作り、それを他人に五感のいくつかで受け取ってもらい
その他人の気持ちに何らかの変化をもたらし、その結果お金をもらうなどそれぞれの目的を達成
してこそ意味があるからです。
もちろんお金だけではなく人を単に幸せにすることや革命を目的としたものも色々ありますが、共通して言えることは自分以外の存在無くしてはならないということです。
この例をアニメーターなど具体的に社会の中でそのスキルを使ってお金を稼ぐ職業に当ててみると
非常に分かり安いです。
我々の仕事としての目的は、自分のスキルの高さを証明することではなく、見る人を魅了しその
代わりにお金をいただくことにあります。
なのでその見る人=他人の意見を無視することは言語道断、
魅了できているかいないかを知らずに作業をするという闇雲な行動となります。
だからこそ我々は常に見る側の視点に立つ努力をしなければいけないわけですね。
その努力で一番簡単な行動こそ、見る側の人に直接聞く「クリティーク」です。
もちろん消費者だけでなく同業者の意見をきくこともクリティークのうちです。
大切な点は「自分だけの視野で作品を判断しない」というところにあります。
続いて2番のクリティークのし方、もらい方、相手の選び方です。
まずし方ともらい方です。どちら側にも相手の気持ちを考える努力が必要です。
どちらかがこの点を忘れれば忘れるほどにクリティークの効率は下がっていきます。
クリティークの仕方
相手の成長をサポートすることが目的です。それは単にお世辞を言って気分を良くすることでもなければ問題点を1から10まで鋭く付いて落ち込ませることでもありません。
人間関係と同じく、良い点を見つけることは悪い点を見つけることよりもずっと難しいです。
なのでできる限り良い点を見つける努力をまずしましょう。これは悪い点、つまりより良くできる点を指摘する際に相手が飲み込みやすくするための努力です。
そして一般的にはこの良い点で悪い点を挟み込むように話すと良いと言われています。
1良い点 2悪い点 3良い点 といった具合でしょうか。
この挟み込むという方法は私個人としてはあまり重視していませんが、最終的な作品の出来上がりをより良くするためのサポートと考えれば、相手の精神面に対して気使いをすること自体十分大切なことと言えるでしょう。
それこそ自分のプライドや競争心を相手に持ってしまっていたりした場合は論外です。
当たり前なようですが、これこそが一番クリティークの妨げになりやすいやっかいな代物です。
相手をサポートする姿勢あってこそのクリティークであることを忘れないでください。
クリティークのもらい方
自身の作品を見てもらい批評をもらうのは実に怖いものです。
恥ずかしい気もしますし何かを指摘をされたらどうしようという気に誰でもなります。
こういった感情をコントロールするためには、自分がなぜ作品を作っているのかを考え直しましょう。
「見る人が喜んでくれるように」これが大切です。
自分自身の評価ではなく、作品が結果喜ばれるものになるかどうかが大切なんです。
つまり正しい指摘をもらえばもらうほど作品はさらに良くなるチャンスを得ることになります。
マイナスはそもそも存在しません。
悪い点を指摘されても言い訳をせずに、ただその意見を「見た人が感じた事実」として受け入れる姿勢を準備しましょう。
その場で自分の口で説明を上乗せできても実際に作品だけを見た人には同じことをできません。
相手の指摘の中に自分の作品にとってさらに良くなるなための最高のヒントが隠されている可能性に期待しましょう。
時に相手の意見に対して否定的な気分になってもそれがなぜ否定的な気分になっているかをまず考え、それが本当に疑問として頭に残るのであれば、その疑問をクリティークの後に相手に問いかけてみましょう。
そのクリティークから得た情報を実際に作品に反映するかしないかは最終的にはあなた次第であることも忘れずに。
相手の選び方
クリティークは与える側と貰う側の両方が作品をより良くしようという同じ目的を持っていてこそ効果があります。
どちらかがプライドや何かで感情的になっていたりするとそれこそ機能しません。
なので自分がクリティークを貰う準備ができていると思っているのであればできるだけ競争心などを向けてこない人を選びましょう。同業者はプロの目をもっているので絶対に外せませんが、自分の分野に全然関係の無い人などから目から鱗の情報をもらえることもあります。
そして自分で選んだ以上は相手の意見を責任持って最後まで聞きましょう。
その人は貴重な時間を消費して自分のために意見をくれています。
理想は最低5人から同じ作品について聞くことです。
みなそれぞれ違った意見もあれば、一貫して同じ指摘をもらうこともあるでしょう。
どちらにしてもより確かなフィードバックをもらえることになります。
以上がおおまかなクリティークの大切さとその仕方です。
「頑張る」というのは人の力を借りないことでもなければ
辛いことにただ耐え続けることでもありません。
力を借りれるだけ借りて自分のものにして、信頼できる仲間と自分の作品を磨いてください。
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