タブレットの勧め。
作業をする上で人それぞれのやり方や、それぞれの慣れた道具が存在します。
なので私としては人に対して「これを使え」とは言いたくないものです。
しかしこのタブレットに関してはそれを承知の上であえてお勧めしたいと思う理由があります。
恐らく多くの方は「タブレットって絵を描く人のためのものじゃないの?」
と思われるかと思います。
が、実はアメリカでは多くの3Dアニメーターがタブレットを使用しています。
(日本でもそうかもしれません)
なぜかと言うと、作業効率が良くなるのはもちろんなのですが、それよりもなによりも
手首の腱鞘炎を避けるために使っているのがもっとも大きな理由です。
アニメーターは画面上のキーやジョイントのコントローラーを頻繁に動かします。
それこそ画面の中にいるキャラクターをパペットのように動かすのが仕事ですから
手首をものすごく酷使します。それが毎日のように長時間続くといずれは
腱鞘炎になってしまうわけです。
腱鞘炎とは本来、身体の間接にとって無理のかかる方向の作業が続いたときに起こります。
一度なってしまえばその間接を使わないようにする他、治す手立てがありません。
つまり腱鞘炎になると仕事をやめざる終えないので、
それまでの努力も水の泡というわけです。
アニメーターにとっては考えただけで恐ろしい現実ですね。
人の手首は本来、直立した際に向く方向、つまり手の内側が自分の中心に向いているのが無理のない角度といわれています。
それがマウスを使った際手の内側は机に向かいうつぶせた状態になります。
これはつまり手首をひねっている状態なんですね。
それに加え実際にマウスを握って動かしている手を見てください。
肩、肘に比べて手首を主に酷使していることにお気づきになると思います。
しかしタブレットは手の内側が自然と自分の方に向き、手首だけでは動作範囲が限られることから肘と肩、加えて指間接を自然と動かして使うようになります。
(肩に関しては多少動かすように意識するとより良いでしょう。)
そういった理由からマウスとは違い手首だけに負担がかかることがなくなります。
もうここまで説明を聞いていただければなぜタブレットをお勧めしているかはお分かりかと思います。
実際にプロの才能あふれるアーティストの方でもマウスが握れなくなり足用のコントローラーを用意してアニメーションをしている人もいます。
それほどまでに腱鞘炎はアニメーターにとって深刻な問題なのです。
私は学生の間にドリームワークスPDIにお邪魔したことがありそこで知り合った
プロのアニメーターの方からの勧めで使い始めました。
就職後にマウスからタブレットに移行して慣れないがために「君は仕事遅いな」
と言われてはたまらないと思い学生のうちにスイッチしたのです。
それまでタブレット自体触ったことが無かったのですが使ってみれば2日とかからずに
慣れました。 一度慣れてしまえばマウスに戻る気はおきないほど快適です。
少なくとも1.3倍は作業効率が上がったと思います。
もしあなたが本気でアニメーターとして活動するのであれば、
マウスではなくタブレット、もしくは最低でも直立ホールドタイプのマウスへのスイッチを
お勧めします。
もちろんタブレットを使うからといって絶対に腱鞘炎にならない補償があるわけではありません。
作業の合間、後でちゃんと手首のストレッチは欠かさずにしておきましょう。☆
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